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No.10
2009/06/23 (Tue) 16:44:07

フランソワ サガンの本。
ジーンセバーグが主人公の映画も有名だが、本で読むのも面白い。
少女と、プレイボーイの父親、若い女の子、大人の女の人、少年のバカンスでのできごとのお話。

それぞれの登場人物の目線でいろんな方向から状況を見てみると、さらに面白い。
「あるよなー」とか「やるなー」とか「うーむ」などと一人心のなかでいいながらわたしは読んだ。

本人たちは大変だが、傍から見ると面白い話はたくさんある。
落語のネタで、「丁稚」がいて、「ご主人」がいてみたいな話は見てて本当に面白い。
たいがいご主人は丁寧にわかりやすく丁稚におつかいなどを頼んで、丁稚はすっとぼけたことをしでかす。

でも、いったん第三者の立場をやめ、たとえば「ご主人」目線で話をみてみると、丁寧に説明して簡単な仕事やらそかいな、みたいな感じで丁稚におつかいたのんでるとおもえるし、なんだかんだと失敗しても、「しゃあないな」とあったかく丁稚のことを考えてることに、感銘までうけてしまうのである。

丁稚目線になるのもおもしろい。いったこともない場所におつかいをたのまれて、初めてお会いする相手さんに、伝言をつたえる。これだけで、いっぱいいっぱいである。失敗はするが、本人は必死である。

ネタ自体は古い時代につくられたものだが、今もおんなじ様なことはいっぱいある。新しく入ってきたスタッフ(落語の場合は丁稚にあたる)に、怒ったりあきれたり、逆に教わることもある。

ちょうど家に帰るころにテレビをつけると上方演芸ホールで録画した落語をやっているのでよく見る。
真夜中に一人、いつの時代もおんなじ様なことあるねんなと、ふと思う。
悲しみよこんばんわ。


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